2016年3月29日火曜日

Studio One 3.2新機能|VCAフェーダーの使い方(スタジオワンでのVCAカーブとオートメーションを結合、環境設定)

3.2新機能「VCAフェーダー」は、古くからのアナログコンソールにも装備されている、電圧でアンプ(音量)をコントロールするフェーダーをエミュレートした機能です。複数のチャンネルの音量に対して一括でリモートコントロールできるのが特徴です。

赤いフェーダーが目印

VCAでまとめて制御したいチャンネルを選択したら、右クリックから「選択されているチャンネルのVCAを追加」を実行するだけです。フェーダーが相対的に連動して動くようになります。


バスに送ったり、フォルダにまとめてフォルダのオーディオバスを作成しても、似た作業をおこなえますが、これらがオーディオ信号がバスに送られ通過していくのに対して、VCAは外部からのコントロールなので、音声信号のルーティング(経路)には関わりがない点で大きく異なります。

環境設定によっては、VCAフェーダー作成と同時にオートメーショントラックも作成されるように設定できます。

(チャンネルのオートメーショントラックを自動作成にチェックを入れる)

VCAのオートメーションは、各トラックのボリュームオートメーションカーブと結合できます。
オートメーションが決まったら...
トラック上で右クリックして「VCAオートメーションを結合」を実行します。
すると、トラックのボリュームカーブに、VCAでの制御が考慮されたカーブに書き換えられます。
※VCAのカーブと結合され、VCA側はリセットされる。

2016年3月15日火曜日

Studio One 3.2 新機能|ミックスエンジンFX(Console Shaper)(スタジオワンでの使い方と設定)

3.2新機能のミックスエンジンFXは、「デジタル コンソール」のバスやマスターアウトなどに、異なる質感を与えるものです。


例えば「アナログ コンソール」サウンドをエミュレートするFX(エフェクト)を読み込めば、ビンテージのコンソールでミックスしているようなサウンドを、アウトボード(外部ハードウェア)を導入することなく得ることができます。そのFX第1弾が、Console Shaperです。

バスや出力(メイン、サブ)の上部「ミックス」からプルダウンで選択できます。
まずはConsole Shaperのみですが、サードパーティー製なども登場する予定ということで楽しみです。
なお、アナログコンソールをエミュレートするので、音量管理などもアナログ的手法が必要です。既存のソングに読み込んだだけでは、かえって音質を損なう恐れもあるということで、新規ソングで最初から読み込んでおくのがおすすめなようです。

録音時から適正なボリュームコントロールを心がけるべきですが、例えば、無償アドオンのVUメーターとMixtoolを使うと、プリフェーダー(チャンネルフェーダーの前=インサートデバイスラックの最初)で音量コントロールするセットにもできるかもしれません。



※VUメーターのSCALEを18にセットして、MixtoolのGainで、VUメーターが0dB付近を平均的に振るようにしてみました。


MixtoolのGainでの音量調整の代わりにイベントのゲインで調整してもいいかもしれません。作業するときは、そのトラックのすべてのイベントを選択してから一気に調整します。



ちなみに、ConsoleShaperのDriveをオンにすると、ハーモニックディストーション加わり、Driveを上げると、そこへ向かうチャンネル(ソース)のゲイン(音量)が持ち上がり(=ConsoleShapeへ向かう信号が上がり)、質感の度合いが強まりドライブ感が増すことになるようです。Driveノブの設定で、Console Shaperへ向かう信号の強弱をコントロールして、コンソールの質感の度合いを強弱する感じでしょうか...
ただし、あとからDriveをいじると、すべてのゲイン調整をしなおすことになりかねないので、どう扱うべきなのかちょっと難しいところでもありそうです。このあたりの運用方法は、今後も研究していきたいと思います。
(ミックスFXに関しては、PreSonus本国のフォーラムや海外フォーラムなどで議論されているようです。このブログの投稿も、また何か分かったら適宜、修正や補足していければと思います。※この記事は、たまに更新しています。)


とりあえず既存のソングに読み込んだけど、あまりよくわからないなーとなってしまってはもったいないですので、基本的には、新規ソングでConsoleShaperを読み込んでおいて、制作工程の最初からアナログコンソールを意識して作業するのと、ConsoleShaperの設定(主にDrive)はやみくもに変更しない、特に一度設定したら後から変更しない、といったあたりがポイントでしょうか。

Noiseはノイズの量で、Crosstalkは他のトラックの干渉(他のトラックの音が混じる)のパーセンテージです。このあたりはわりと気楽に試せそうな項目です。



あ、何台かで試していたら、プリセットの見えないマシンもありましたが、「プリセットが表示されない場合は索引を再作成」の方法で解決しました。(thanks Y-San)



プリセットがない!
↓「プリセットの索引を再作成」で解決




おまけ。複数チャンネルにVUメーター(設定有)を読み込みたい場合は、コピー先のチャンネルを複数選択しておき、ドラッグ&ドロップで一気にコピーするのが便利です。

まず1つ読み込んで、設定を済ませたら、ラックへドロップ




一気にすべてコピーされた!
(ラック内での簡易表示やSCALE設定などは、コピー前にやっておくことで1つ1つ設定する手間が省けます。)

ブラウザからのドロップでも同様に操作できるので、例えば、全チャンネルを選択しておき、任意のラックの1番上にMixtoolをドロップしたら、すべてのチャンネルの1番上に一発でMixtoolを読み込めます。


2016年3月3日木曜日

Studio One 3.2 新機能|クイックズーム(スタジオワンでのズーム方法、使い方、操作例)

Studio One ガイドブック 38 ページで「ズーム関連のショートカット」をいくつか紹介したり、必要に応じて拡大(E)や縮小(W)のショートカットを紹介していますが、新機能の「クイックズーム」では、ズームに関する操作がより便利になりました。


Alt+Shift+範囲指定(=虫メガネで拡大する箇所を囲って拡大)

編集

Alt+Shift+クリック(=元のズーム率に戻る)

...といった流れで作業を効率化できるでしょう。

なお、メニューの 表示>ズーム には、他にもズーム関連のコマンドが用意されています。
command+Z(フルズーム)、Shift+S(選択へズーム)や、マクロの「Zoom Overview」なんかも便利なズーム系コマンドです。





なお、エンドマーカー調整後に、フルズームしても、うまくズームできない場合は、マクロのZoomOverviewならしっかりフルズームしてくれる場合があったりするようです。

Alt+Shift+クリック のズームのアンドゥは、Shift+S(選択へズーム)でのズームなど、他のズームコマンドをアンドゥすることも可能です。

ズームして戻す...は、細かい作業時には何度となくおこなうオペレーションなので紹介してみました。

2016年3月2日水曜日

Studio One 3.2 新機能|再生スタートマーカー(スタジオワンでの使い方、操作例)

Studio Oneガイドブック 200ページ「プレイバックでの操作テクニック」では、思い通りにプレイバックやカーソル移動するTIPSを紹介していますが、新機能「再生スタートマーカー」もとても便利です。

まずこの機能を有効にしましょう。
「再生スタートマーカーを有効化する(ショートカット:Alt+P)」
※メニューのトランスポート>オプション内や、画面下部のトランスポートの再生/停止ボタン付近での右クリック、ルーラー上で右クリック、などからチェックを入れても有効化できます。

有効にした後は、Alt+Oでカーソル位置にマーカーが配置されます。


設定後は、なんらかの方法でスタートすると、マーカーから再生します。
停止時は「その場で」停止するのもポイントです。

再生しながらAlt+Oを押して再生マーカーを打てば、その後に素早くそこから聞き返せます。また、以前から「停止時にスタートに戻る」という似た設定がありましたが、こちらは、停止と同時に元の画面に戻ってしまうので、編集したい箇所が見えなくなる場合もありました。「再生スタートマーカー」なら、停止してもその場にとどまり、次の再生時にマーカー位置に戻るので操作に無駄がありません。

※停止と同時にスタートマーカーに戻ってしまう場合は、メニューの「トランスポート>オプション>停止時にスタートに戻る」のチェックを外すと挙動が変わるかもしれません。

なお、再生スタートマーカーを解除するには、もう一度Alt+Pを押します。

これも、全体に影響する操作なので紹介してみました。

2016年3月1日火曜日

Studio One 3.2 新機能|スマートツールでの操作(スタジオワンでの使い方)

 Studio Oneガイドブック 212ページからの「マウスツールと代替ツール」では、各ツールの操作を具体例とともに解説し、修飾キーを組み合わせた便利な操作も紹介していますが、新しいスマートツールで、操作はさらにシンプルかつ効率的になりました。

 スマートツールでは、状況に応じてツールが切り替わり、カーソル位置やクリック位置によって、編集内容や動作が自動で切り替わります。


 赤囲みの「イベントエリア上側の範囲ツール」「矢印ツール」「範囲ツール」の3つのボタンが同時に選択されている状態がスマートツールです。

 上部は、今までの範囲ツールと同等の機能に加え、ダブルクリック位置で「分割」、範囲選択後に範囲上でダブルクリックで「範囲を分割」、クリックでカーソル移動、などの操作を行えます。あと、シングルクリックでは、そのトラックが選択されますが、イベントは選択されません。
 下部は、今までの矢印ツールと同等の作業を行えます。イベントの選択や移動などは下半分で。

 今まで上半分でダブルクリックしてイベントを開くのが習慣になっていた方は、しばらくはついついイベントを分割してしまうこともあるかもしれません。あわてずCtrl+Z(command+Z)の「取り消す」を実行しましょう。せっかくですので、今後は下半分でクリックするのに慣れると便利でしょう。なお、ダブルクリックでイベントを開くとズーム率がリセットされます。前回と同様のズーム率で開く場合は、「F2」か「編集」ボタンから開くのがオススメです。

 ガイドブックで紹介している操作でも、3.2の新機能によりもっとも変化がある操作の1つが、このスマートツール。オペレーション全体に影響する操作なので、まずはスマートツールを紹介してみました。

Studio One 3 ガイドブック その後

現在、Studio One 3 ガイドブックは、Amazonの売れ筋ランキング(コンピューターミュージックやDTM 部門)で、1位となっており、「ベストセラー1位」のアイコンがついています。
かなり一過性のもので、もうこの瞬間にも順位は変動するのですが、1位というのは嬉しいもので、アイコンの付いている間にスクリンショット撮影してみたり。

↑スクリンショットです(念のため)。

ともあれ、3.2の新機能をチェック中です。